見たいのはジャイアントキリングだけ

「相手が攻撃の比重を一気に高めた途端、それまで一定の強度を保っていた日本の守備ブロックが崩壊する」

これは4年前のロシアワールドカップ・ベルギー戦での日本代表の批評である。

これまで日本のサッカーは、世界の高さを活かした攻撃にほとんど対応出来なかった。

2点先制した日本はベルギーから3点を奪われ逆転負けする。

当時、森保監督は日本代表のコーチとしてそれを目の当たりにした。

あれから4年、国内で森保監督の采配や戦術についてさまざまな意見が飛び交っているが、どれも拙い批評であるため、その都度脱力させられる。

 

 

日本代表の南野拓実が所属する英リバプールは攻撃陣の補強を続けている。

各国代表のエースがひしめき合う中で、南野は少ない出場機会から結果を残してきた。

ただし以前から英メディア等は、リバプールにおいて南野の居場所はないと報じてきた。

確かに南野はプレミアリーグの選手としてフィジカル面等で物足りないかもしれない。

だからどうした?これからも南野はリバプールで点を取り続けるだろう。

国内、国外からどれだけ批判を浴びせられても、南野はリバプール残留を決断した。

そんな南野をクロップ監督は信頼している。

それは南野が世界に通用する、日本屈指のアタッカーであるからだ。

 

 

4年前のベルギー戦、あの時ベルギー代表だった選手は今も世界最高峰のリーグで活躍する。

デ・ブライネ(マンチェスターC/プレミア1位)

ルカク(チェルシー/プレミア3位)

フェルトンゲン(SLベンフィカ/プリメイラ3位)

そして、レアル・マドリードエデン・アザール

もっとJリーグの若手選手を起用しろ?無茶言うな。

もっと見事な采配で華麗なサッカーが見たい?黙ってろ。

Jリーグでも、華麗なパス回しでも何でもいいよ。

誰かデ・ブライネやルカクをぶっ潰してくれよ。

 

 

日本代表のスタメンだった大迫、長友、酒井、吉田は今回のアジア最終予選でもスタメンとして起用されている。

「相手が攻撃の比重を一気に高めた途端、それまで一定の強度を保っていた日本の守備ブロックが崩壊する」

当事者であった森保監督や彼らベテランメンバーが誰よりもそれをよく分かっている。

もう2度と、2点先制からの逆転負けなど見たくない。

どんな戦術だっていい。

見たいのは、世界最高のジャイアントキリングだけだ。